透析関節・神経障害外来
透析治療期間が長くなると、アミロイドの蓄積や副甲状腺異常により色々な関節・神経障害が生じることがあります。
手のしびれ
原因でも多いのは手根管症候群です。母指、示指、中指、環指がしびれます。透析中、夜間に手や上腕部に強い痛みが出ることがあります。
治療
症状が進行している場合は手術治療で作用がみられます。手術では手根管を形成する靭帯を切離して、圧迫を除去します。 当院では局所麻酔下に内視鏡を用いた手根管開放術を行っています。患者様が通う透析施設と連携しながらできるだけ負担が少ないようにします。
頚椎の変形による脊髄の圧迫が原因になることもあります。この場合は両手がしびれ、手、足の運動障害を伴うことがあります。
手、指の痛み
指の屈伸で引っかかりや痛みを生じる場合は、指の付け根部分の腱鞘炎が原因です。母指が多いです。
治療
注射治療で改善することもありますが、手術治療が必要になることが多いです。
手術は引っかかりの原因になっている腱鞘を切離します。皮膚を切開する方法と、切開せず針先で腱鞘を切離する方法があり、この方法では術後2日目で創は改善する場合が多いです。
その他
透析の影響で腰、股、膝関節などが変形し、痛みを生じることがあります。
治療
通常の変形性関節症と同様の治療ですが、関節の破壊が急速に進むことがあります。また、股関節ではアミロイド沈着により骨折しやすくなっていることがあり、慎重な診断と治療方針が必要になります。